未払い残業代請求に対する会社の対抗予測

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未払い分の請求に対して、会社側がどんな行動に出るのかを考えてみることにします。
相手の行動予測をしておくことで、予め対策を考えておくことができます。

常識的には、支払いを拒否すれば問題が大きくなる恐れがあり、その問題が社内まで波及してしまう、ことを考えます。したがって、請求された金額の整合性を調べたのち支払ってもらえるはずです。
ですが、会社が悪質だったり払ったら倒産してしまうというような状況の時には、請求に対して対抗策を講ずることも考えられます。

では、どのような手段で対抗策をおこなってくるのでしょうか?

最も多いのが「残業証拠の反証」です。
つまり、残業時間の証明として提出した証拠物を、証拠にならないものとして請求額を減らすことです。
特に、勤怠管理のタイムカードがない会社には多く見られます。

残業時間の証拠(←リンク張る)で説明しているように、タイムカードがない会社の場合は手書きのメモやメールなどを証拠として残しておく、という方法を紹介しました。
このような証拠は本人以外には証明する術がなく証拠になりにくいことと、残業代を水増し請求している可能性がある、という点を突いてくることが予想されます。

実際、これらは状況証拠なので、裁判になれば最終的には裁判所の判決に依拠する形になります。事実、これらが証拠能力不十分として全額が認められない判例は過去にあります。

証拠能力不十分とされる場合でも請求額の半額や6割などで支払われるという判例が多いです。

「全額支払われないなら面倒くさそうだし、請求しなくてもいいかなぁ…」と思われるかもしれません。
それでも、請求すべき理由はあります。

>なぜ請求額が減額されるのか?

仮に、提出した資料を会社側が証拠能力が無いと対抗してきたとしましょう。
会社がその証拠品の能力をゼロにしようと思えば、その証拠が役に立たないことを証明しなくてはいけないのですが、それはとても難しい。
同時にこちらの証拠も証拠能力としては弱い。
このように、どちらの訴えも証明できない場合はどこかに均衡点を設けるのが一般的です。

これが、請求額が減額される理由のひとつです。

たとえ減額されても遅延損害金や付加金、割増賃金などを考慮すれば単純な時給換算よりも支払額が上回ることは考えられます。
なので、簡単に証拠が弱いからといって諦める理由はありません。

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内容証明郵便とは

内容証明郵便とは
・何月何日に
・誰が
・誰宛てに
・どんな内容の手紙を出した

を記録してもらえるサービスです。

内容証明を行なうことによって、相手に確実に届いていることが証明できるため「そんな手紙は受け取ってない!」と言われるのを避けることができます。
法的内容の書面などを送付する場合に多く利用されています。
未払い残業代の請求を会社に申請する場合にもこの内容証明郵便を利用するのが一般的です。

内容証明を行なうには、送りたい書面と、その謄本(コピー)を2部の合計3枚用意します。
料金は基本料金 + 一般書留 + 420円です。

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内容証明の書き方

請求書
私は、貴社○○支店の○○課にて勤務しておりますが、
私が平成○○年○○月○○日より平成○○年○○月○○日までの間に
残業した○○時間分の残業代金○○万円が
本来の支払日(平成○○年○月○日)を過ぎた本日に到るまで支払われておりません。
これは労働基準法第二十四条、第三十二条、第三十七条に違反するものです。
よって、同期間の割増賃金の総額○○千円を私の給与振込口座までお支払い下さい。
なお、本書面到達後○日以内に金員の支払いなき場合には、労働基準監督署への通告その他必要な法的措置をとらせていただくことを申し添えます。

平成○○年○○月○○日

○○県○○市○○町○丁目○番○号
○○ ○○○○県○○市○○町○丁目○番○号

株式会社○○○○
代表取締役 ○○ ○○ 殿

>上記文例の解説

労働基準法24条 賃金の支払
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければなりません。また、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければなりません。

第32条 労働時間
使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
2 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。

第37条 時間外、休日及び深夜の割増賃金

金員:金額、金銭の意味

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遅延損害金とは

遅延損害金とは、未払い残業代に対して発生する利息です。
「残業代を払っていなかった」ということは会社は債務不履行になり、労働基準法違反です。その損害に対する損害賠償が損害遅延金です。
未払い残業代は、不払いが起こった月の給料日からカウントします。
遅延損害金の年利は6パーセントです。
また、労働者が既に退職している場合には、賃金の支払の確保等に関する法律第6条に基づき、年利14.6パーセントの遅延損害金を請求することができます。

賃金の支払の確保等に関する法律
(退職労働者の賃金に係る遅延利息)
第6条 事業主は、その事業を退職した労働者に係る賃金(退職手当を除く。以下この条において同じ。)の全部又は一部をその退職の日(退職の日後に支払期日が到来する賃金にあつては、当該支払期日。以下この条において同じ。)までに支払わなかつた場合には、当該労働者に対し、当該退職の日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該退職の日の経過後まだ支払われていない賃金の額に年14.6パーセントを超えない範囲内で政令で定める率を乗じて得た金額を遅延利息として支払わなければならない。

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36協定とは

36協定とは、労働基準法第36条の通称で、法定労働時間を超えて労働をさせる場合に労働基準監督署へ提出しなければいけないものです。

法定労働時間では「1日8時間、1週間に40時間を超えて働かせてはいけない」という決まりがあります。ですので、36協定の届けを出さずに法定労働時間を超えて労働させることは労働基準法違反に当たります。
ですが、多くの会社では各々の事情により残業させざるを得ない状況になることがあります。そのときに、この36協定で「うちの会社は○○の理由により、法定労働時間を超えてしまうことがあります。ですので、労働時間を延長してください。」といった内容です。
当然ですが、法定労働時間を超えた分の労働には割増率が適用されます。

この36協定は、就業規則に明記されています。
また、就業規則は労働基準法第106条により
書面による交付、常時事業場の見やすい場所への掲示又は備え付けなどによって労働者に周知しなければならない
ので、社員であれば誰でも知る権利があります。
また、36協定の締結には従業員の過半数代表者又は労働組合の同意を得、その内容を「時間
外労働・休日労働に関する協定」 として定める必要があります。ですので、労働者の誰かは36協定に関する書類に署名/捺印しているはずです。
もし、36協定に関して知ってる人が社員に誰もいない場合は36協定を届けていない可能性があります。

36協定で定めた延長時間をさらに超えた場合は第32条(労働時間)または第35条(休日)の違反となり、第119条(罰則)により「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」の処罰の対象となります。

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